乳首から出血・分泌物が出る原因・病気は?
乳頭(乳首)から血液や分泌液が出る原因、病気について、ご紹介します。なお、血液は必ずしも真っ赤な液体として認められるとは限りません。分泌物と混じって、茶色っぽく見えることもあります。
乳腺症
乳頭異常分泌、乳房のしこりや痛みといった症状を伴います。良性疾患ですが、乳がんとの鑑別が不可欠です。
乳管内乳頭腫
乳頭のすぐ下の乳管で発生する良性のしこりです。乳頭近くのしこりに加え、乳頭異常分泌が見られることがあります。
乳がん
乳頭異常分泌、乳房のしこり、痛み、乳頭・乳房のただれやかゆみ、乳房のくぼみ・腫れといった症状が見られます。分泌液は、茶色っぽい色をしていることがあります。
高プロラクチン血症
出産・断乳後にも乳頭異常分泌が続く場合に疑われる疾患です。乳房の痛みや張り、月経異常、頭痛といった症状も見られます。不妊の原因になります。
内服薬
抗うつ薬、降圧剤、胃潰瘍の薬、ピルなどの副作用によって、乳頭の異常分泌が見られることがあります。受診の際には、お薬手帳をお持ちください。
妊娠・授乳中ではないのに乳首から分泌物が出る
妊娠中や授乳期間中でもないのに乳頭から分泌物が出ることを、乳頭異常分泌と言います。白色や黄色の場合、一時的なホルモンバランスの変化によって起こっていることが多く、病気の可能性は低くなります。ただし、自己判断は禁物です。乳頭異常分泌があった時には、必ず当院にご相談ください。
このような症状があればご相談ください
- 妊娠中や授乳中でないのに乳頭から分泌物が出た
- 乳頭に傷がないのに、血液が付着していることがある
- ブラジャーに赤いシミがついた、白っぽいカスがついた
- 乳頭がいつも濡れていて気持ち悪い
乳頭異常分泌は、妊娠・授乳経験のある方だけでなく、経験のない方にも起こります。
乳首から出血する場合の診察・検査
問診では、症状、既往歴、服用中の薬、妊娠・授乳経験の有無、月経の状態・周期などについて詳しくお伺いします。視診や触診、またその場での分泌物の確認などを行った上で、マンモグラフィ検査、乳房超音波検査などを行います。乳がんが疑われる場合には、針生検・病理検査も必要です。
その他、MRI検査が必要になることもあり、その場合は提携する病院をご紹介します。
乳首から出血する場合の治療
乳がんを原因とする場合には、手術、放射線療法、薬物療法などが行われます。乳がんではない場合、多くは積極的な治療は必要なく、経過観察を行うことが多くなります。内服薬が原因になっている場合には、処方医と連絡を取り、必要に応じて薬の変更などを検討します。